犯罪者・非行少年への就労支援の必要性

近年日本において治安の悪化を感じる人は少なくなく、安心して暮らしていける社会を実現するには犯罪や非行の抑制が重要となります。日本の一般刑法における犯罪(交通事故等を除くもの)は6割が再犯者によって引き起こされています。対して、一般刑法犯の人数構成比で見れば再犯者は全刑法犯の3割に過ぎません。

再犯者による犯罪を予防し、未然に防ぐことは、犯罪数を大きく減少させ、安全な社会を実現するために効果的であると言えます。


再犯者を統計的に調べた資料から再犯者には以下のような傾向が認められます。


第一に再犯者は多くが再犯時に無職であることです。刑務所再入所者の統計では7割が再犯時に無職であり、保護観察対象者でみても無職者の再犯率は有職者の4倍となっています。また保護観察対象者全体における無職率も近年増加傾向にあります。さらに刑務所出所時に帰住先を持たない出所者は再犯を起こしやすく、また満期釈放者の53.4%が5年以内に再犯を犯し刑務所に再入所する(仮釈放者の場合30%に留まっている)というデータもあります。

前科があっても、住む家と働ける場所があって経済的に自立できているならば再犯を起こす可能性は少なくなると考えられます。


第二に薬物事犯者の再犯率の高さがあげられます。覚せい剤事犯者の検挙者のうち6割が再犯者であり、この割合はさらに上昇する傾向にあります。

違法薬物事犯者に重要なのは重い罰を科すことではなく、薬物との関わりを絶つための治療や環境を用意することこそが必要だと言えます。

安全・安心な社会のために犯罪者の再犯を防止することが重要です。